講師に日本大学 理工学部 電子工学科 柴田国明氏をお迎えし、“電磁波”にまつわる新しい技術について講演をしていただきました。
柴田氏は、同大 電子情報工学科卒業、同大 電子工学を専攻(細野研)卒業し、現職(同大 電子工学科 三枝研助手)に就いています。当会員の(有)柴田建材 柴田社長様のご子息であり、今セミナーの講師を快く引き受けていただきました。
セミナーは、小さい頃からの自身の趣味が、現在の職務に大きな影響を与えているという柴田氏の自己紹介(プロフィール)に始まりました。
SF(Science Fiction)が大好きで、小説・映画・漫画・ゲーム・アニメ等にハマって自称オタクであったこと、ハマったのは、SFの中にある「実現されていない技術」、「実現されている技術の予言」がとても楽しかったからであるという胸中を披露されました。

常日頃、学生に“素人に解るように説明をしなさい”と指導しているので、本セミナーは大変プレッシャーを感じていると話され、リラックスモードで本題に入りました。
セミナー内容は、柴田氏の研究分野である
・アンテナ・電波伝搬
・無線電力伝送(マイクロ波)
・環境電磁工学
から、“電磁波を操る!”技術を現代の様々な事象について述べられました。

1.ワイヤレス給電・非接触電力伝送
電気を無線(ワイヤレス・非接触)で空間に流す
ワイヤレスで電送する技術には、大きく分けて大容量の電力を供給(電送)する方法:遠方領域(放射型)と容量の少ない(電子機器等対象)方法:近傍領域(非放射型)と2通りある。
大容量の電送では、宇宙空間で太陽光発電した電力を地球上の電気局に送る技術が検討されている。地球環境を含めたサスティナブルな発想である。電磁波を以って伝送するため安全を考慮した課題があるという。

小容量の伝搬には、第四次産業革命といわれているIoT(Internet fo Things)モノのインターネット時代において、スマートファクトリー/随所にある設備機器への電気供給(現状は小型電池等が使用)が無線で可能、PC、スマートフォン等の電子機器、電気自動車への供給、医療機器(精密電子機器から電子電動いす、院内搬送台車等)
家庭、オフィス、医療機器、工場、人が立ち入れない場所(水中、被災地、宇宙等…)果ては宇宙までがワイヤレスで送電可能となる技術。
被災地においては、有線でないため送電線の切断等による被害を受けても電気を送ることが可能となる。
スマホは、毎日充電する必要がなくなる。スマホだけでなく、小型電池で作動している機器は、電池の交換がいらなくなる。
素晴らしいことです!!
2.電波障害
通信システムをはじめとして、様々な機器が何らかの電波を介して作動している。それぞれが違った周波帯を使って作動しているが、互いに干渉することが懸念される。
高架構造物による遮蔽・反射によるゴースト障害や、列車の通行によるフラッター障害等、既存の社会インフラから発生する障害もある。
これらの障害対策も平行して進められている。コンクリート構造物が貢献する分野もあるのではないか・・・。遮蔽技術や反射防止技術を併せ持ったコンクリート!コンクリートの特長を生かしたいところである。
1時間を超える講演でしたが、時間が過ぎるのを忘れて聞き入っていました。大変わかりやすいご講演、会員を代表し、御礼申し上げます。ありがとうございました。
セミナー後は、昨年建設された紀尾井町ビル(赤坂プリンスホテル跡地再開発)へくり出し、新しい再開発空間(商業施設:オフィス、ホテル、商店などと住居が混在)を見学し、おいしいランチをいただきました。

「旧グランドプリンスホテル赤坂・旧館・旧李王家東京邸をリニューアル
ROSE WEEKの催しものがあり、食事とバラを堪能しました。

美味しい昼食に満足!!


