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平成28年10月28日、29日の両日、東日本セメント製品工業組合 東生会創立30周年記念事業および後期研修会を開催しました。
メインの研修内容は長崎県軍艦島世界遺産見学と勉強会。研修参加者は10社12名でした。
28日は長崎県軍艦島“世界文化遺産”見学です。
長崎の世界文化遺産は、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成遺産です。軍艦島は、日本の近代化を支えた石炭産業の歴史を伝えています。コンクリート業界に携わる人にとっては、日本初の鉄筋コンクリート造の集合住宅に興味深々です。
事前に羽田空港にて、新東産業(株)仲田氏より軍艦島に関する説明があり、軍艦島内部のコンクリート構造物の劣化状況、剥離、鉄筋のさび、塩化物イオン量、コアによるコンクリート強度などの充実した資料に参加者一同ビックリしました。
見所は
・塩害劣化(年代別)
30号棟:日本初の鉄筋コンクリート構造物
16〜19号棟:日給社宅
65号棟:9F建て317戸(総床面積16,895m2)、戦時中の構築
・護岸:長崎特有の赤土と石灰を凝固材としてが石を積む(石垣構造)
・この時代の建設に当たっての施工方法(想像??)
との内容で、気持ちは益々高揚、期待に満ちて出発しました。
長崎に到着すると天候は雨模様で、上陸が危ぶまれました。(雨男は誰??)
ともあれ軍艦島へのクルージング船は決行。出航時、港は穏やかな波でしたが・・・・
・・・・海上は荒れていて波が高く船酔いとの戦いになりました。

記念撮影!

船酔いと上陸できずの脱力感・・・
船(ブラックダイヤモンド号)は軍艦島へは近づきましたが上陸はできませんでした。残念!!

右から2棟目が日本初の鉄筋コンクリート造 集合住宅(30号棟)

左:65号棟、中央:16〜17号棟

劣化状況と護岸
帰りの船上で、スタッフより
途中寄港した高島も炭鉱(同三菱社)であるが、軍艦島の当時のトップ(三菱社)の資質が大きく影響して発展を遂げており、高島とは大きく異なったということ。(いつの世も同じ…)
グラバー氏から伝承されたビール製法による日本初のビール生産(キリンビールの発祥)も岩崎弥太郎氏が関与している。また、造船も三菱社により発展。長崎は三菱一色である・・・
といった説明を船上から長崎港を見ながら受けました。

中央奥に明治時代のドッグ(世界文化遺産に指定)
木造である。写真では?
夜は残念会として懇親会を開催し、長崎港を一望する露天風呂(夜景も素晴らしい)と名物卓袱料理を囲みながら参加者の親睦を深めました。

宿泊(紅葉亭)からの眺望
造船所のドッグ(イージス艦、LNGタンク船)

素晴らしい旅館:紅葉亭にて
29日は長崎市内観光。
平和公園見学では被爆直下にあった刑務所の基礎コンクリートが残存し、数千℃に及ぶ熱射に劣化した状況、鉄筋が表面に露出していて戦前のコンクリート内部などを参加者一同、じっくりとを観察しました。

平和記念公園

刑務所跡地:コンクリート基礎跡(爆心地)

爆心地の刑務所の壁(数千℃の温度の影響を受けた)
原爆資料館 出島の見学。
昼食は中華街で、かた焼きソバなどいただきました。
記念事業の行程は弾丸でしたが2日間有意義な時間を過ごしました。
創立30周年記念事業は、新東産業株式会社様の技術的なご支援により深い技術研修・記念事業となりました。今後とも技術的指、ご協力をお願いするとともに、厚く御礼を申し上げます。
最後になりますが、参加して頂いた皆様にも厚く御礼申し上げます。
リベンジ!! 軍艦島・・・
東生会 会長 田中友和 株式会社弓削コンクリート工業所